2012年6月29日金曜日

使っていくこと〜旧日光ユースホステル



毎日、夏の様な天気である。梅雨は何処へ行ったのだろうか。

夏がくれば思い出す。

数年前に旧日光ユースホステルの見学会を行った。NPO日光門前の主催で、Docomomoさんの協力を経ての開催。







このユースホステルは、役目を一旦終えて十数年。日光の山裾の薮に打ち捨てられている。
1959年、芦原義信氏による設計。施工は地元の小池工業によるもの。





明快な軸線と配置、水平の奇麗なフォルムをもったモダニズム。
芦原さんが留学から帰って間もない頃の作品。

今後の利活用をもうずっと考えているのだが、ちょっと休止中。

使っていくこと。
記録しておくこと。

この二つを念頭に、今年も一つくらいはこの旧日光ユースで何かやりたいと思っています。

企画募集中です。(なんと人任せな。なんと投げやりな。…)

2012年6月28日木曜日

痕跡




先日、某携帯会社のショップを訪れた時に、デモ機を弄っていたらこんな痕跡が。

誰が何の為に、というか何の気無しに描いたものだろうけど、気になる。

これを描いたのは、どんな人か。
けんちゃんとは一体だれか。どんな人か。
果たしてこの似顔絵と思しき人物と似ているのか。
そして、二人はどんな関係か。

全く以てどうでもいい事が気になる、ふとした瞬間は、ある。


前々職で仙台で仕事をしていた時に、まちの中にアートをちりばめるイベントを当時の学生さん達と開催した。10年前、一番町三丁目のあたりである。

その作品の中に、「痕跡X」というのがあって、フォーラス前での待ち合わせの様子(架空)が地面に描かれている作品を思い出した。うろ覚えながら。
その人がいた場所がテープで囲んで記され(●月×日●時●分〜×時▲分 恋人とデートの待ち合わせ)などと書いてある。

派手ではないが、言わんとしている事がなんとなく分かる作品だった。

都市の中の痕跡。
なんか好きだ。

さて、今夜もSo Whatな感じで、お後がよろしいようで。

店先の話し


店づくりは言わずもがななのだけど、通りや街なみを課題としてる身には、「店先」の作り方をもうちょっと研究したいと思っている。







日光が都市部と同じ方法論で、ある意味洗練された空間だけ目指して作っても意味を持たない。
「らしさ」は何かという追求。

ただ、考えたり工夫したりする事から始まるのは当たり前な話なのだけど、その当たり前に日常の中で気づくのにはきっかけが必要なのだ。
(往往にして他地区の事例を挙げようものなら「日光は特別だから参考にならん」とか言う「うつけ者」が出てくるのだけど、問いたい、「じゃ日光らしさって端的に何か?あなたのその意見で街並を解決できるのか」みんなで色々見回して磨いていこうとしている時に、こんな水を差すような意見はまったくナンセンスで話にもならないわけだ。そんなようじゃ何も物事が動いていかないわけだ。)

せっかく地区の方針が打ち出され、ルールがあるのだから、もうちょっと煮詰めていきたいと思う。
それぞれの工夫が連なり、並(なみ)になっていく。そんなイメージなのだが、これが難しい。これが悩ましい。

長い目で捉えた挑戦ですな。

震災後の定点観測



日光と仙台を行ったり来たりの日々。


昨年の3月11日の地震の時も日光から仙台へ向かう途中、東北自動車道の矢吹付近(福島)を車で走っていた。


車は揺れ、最初は強風かと思った。しかし、沿道の標識などの揺れから次第に強い地震だと分かった。


Twitterとカーナビのワンセグの情報が頼りだったけど、特にTwitterは有効だった。


当時の自分のツイログを久しぶりに見てみた。




写真付きでツイートしている。





路盤はこんな感じになっていた。
ボコボコの道を鏡石PAまで進み、そこで小一時間揺れの収まるのを待った。


あれから一年と3ヶ月。


あの時、こんなに沈下?隆起?していた部分も…




すっかり補修された。(2012年6月27日撮影)








ずっと仮設だったトイレも


今は使う事が出来る。修復というより、建替えだろうか。




あの時、身を寄せていた場所というのは、なんとも言えぬ思いがある。
ちょっと表現が難しいのだが、とにかく気にかかる。
自分にとって、ちょっとだけ特別な場所になった。


震災後も何度も通っているのだけど、その度に気になっていた。


今日27日に立ち寄ってみて、復旧している様子を見て安心すると同時に、少し元気が出た。


客観的には「それぞれの」である復旧が、当事者にとってはもちろん、思わぬところで第三者にとっても意味を持つこともある。


そんな、ちょっと思いを込めた定点観測。

2012年6月22日金曜日

ときめいた空間


突然ですが、ここはどこでしょう。
都内にあってこんな緑もっさりな空間。






正解は






代官山のヒルサイドテラスです。その中にある猿楽神社というところ。
「ご存知の」と付けた方が良いですね。


いや、しかし大学の東京建築ツアー以来十数年振りに訪れたヒルサイドは、ちょっと喜びがありました。


その中でも猿楽神社のもっこり、いや、もっさり具合にときめきました。





洗練された都市の中に突如として現れるもっさり空間。
で、こんな雰囲気で構えている。
引込まれないわけがないわけで。





こんなアプローチを上ると、、




神社が。
古墳時代の円墳の上に立つという神社。囲みの空間。
なんとも言いあらわせぬ気持ちになりました。






で、見上げると




こんな緑の重層が。


なんとも思いがけぬ出会い。暫くぼーっとしてしまいました。






まちは人との出会いももちろん大きな意味を持つわけですが、
風景や空間との出会いも(意外性など含めて)重要なんだなと改めて思った出来事でした。


今週末はまた代官山へ行くので、ここに行ってみようと思います。


そんなわけで、今回もSo Whatな感じで。