一視聴者として、毎回たのしみに見て来たこの一年間。
さて、自分はどれが面白かったのか、とふと思いランキングしてみた。
もちろん、独断と偏見のもとに。
この4月初旬までに34回放送されており、シリーズ前のパイロット版である2015年1月の京都編を含めると35回となる。
今回は、この中から私が「面白い!」と思った10回分を独断と偏見で選び、ベスト10形式で発表したい。(2016年3月19日放送の#34の熊本城まで)
※ただし、筆者も関わった日光編(2回)は除外する。
(本当は今や生活の拠点である仙台も除外してもよいのだが、今回は含めて考えてみた。)
本当にどの地域も楽しく拝聴し、毎回放送を楽しみにしていること(自称ブラタモリマニア)、かなり悩みながらのランキングであることの二点を付け加える。
さて、一体誰のための記事か、というつっこみはおいておいて、さっそくスタート。
…で、ベストテンの前に、「もうすぐベストテン」を3つ程。
私の往生際の悪さを、こういうところでお分かりいただけると思う。
▷もうすぐベストテン(一つ目):
道後温泉 |〜道後100万人の湯はどうできた?〜
道後温泉 |〜道後100万人の湯はどうできた?〜
松山編と併せてロケを行ったであろう道後温泉。
そのシンボル的存在の道後温泉本館を建設する際(明治期)に市民からの寄附で作成したエピソードは特に興味深かった。
まちのアイディンティティになるような施設を市民の寄附により建設し、入浴券を配布。
それが今日まで使い続けられている事に、少し胸が熱くなる。
と、いうことでもうすぐベスト10入り!
それが今日まで使い続けられている事に、少し胸が熱くなる。
と、いうことでもうすぐベスト10入り!
▷もうすぐベストテン(二つ目):
小江戸・川越 |〜なぜ川越は小江戸と呼ばれる?〜
小江戸・川越 |〜なぜ川越は小江戸と呼ばれる?〜
魅惑の江戸黒。蔵づくりの巧妙さに驚く。
時の鐘に登る様子、舟運と今も残る帆や資料なども興味深かかった。
喜多院に家光公の誕生の間があることも、はじめて知った。
江戸城からの移築だとか。
江戸城からの移築だとか。
▷もうすぐベストテン(三つ目):
奈良 |〜奈良発展の“秘密”は段差にあり?〜
奈良 |〜奈良発展の“秘密”は段差にあり?〜
この番組によりすっかりお馴染みになった「段差」。魅せられた人を「段サー」という。
私もその世界に足を踏み入れてしまったように…最近少し自覚している。
「東向商店街」がお寺との関係で東を向いていたこと。(お寺に背を向けないよう形成されたこと)
で、その名が今も残っていること。
興福寺の建物基礎が今でも床下に残っていることなど、古都ならではの胸熱ポイントも多かった。
やはり、奈良。深い。また訪れたい。
ーーーーー
さて、ここからはベスト10である。
まずは10位から4位まで!
まずは10位から4位まで!
10:熱海 |〜人気温泉地・熱海を支えたものは?〜
案内人の先生があまりにもお綺麗で、ストーリーが入ってこなかった、と友人談多数あり。SNS等でもそのような意見で溢れていたそうである。
私もまったく同感である。
熱海の温泉は塩分やカルシウムを多く含んでいるそうで、石けんが泡立たないとか。
探ると、海底の火山が関係しており、海水が熱せられて温泉になっているためなのだとか。
江戸を開いた直後の家康公が湯治し、他の武将にも勧めたことから温泉地としての知名度が高まったようだ。
熱海は未踏の地。行ってみたい。
探ると、海底の火山が関係しており、海水が熱せられて温泉になっているためなのだとか。
江戸を開いた直後の家康公が湯治し、他の武将にも勧めたことから温泉地としての知名度が高まったようだ。
熱海は未踏の地。行ってみたい。
9:鎌倉の観光 |〜鎌倉が観光で発展し続ける理由は?〜
やはり、江戸時代の旅は「参拝」。江ノ島参拝と鎌倉の関係性。
観光マップと「ばばあ茶屋」。切り通しには参拝のルートであることが色濃く残る。
江の電はその、江戸時代の観光ルートに沿って走っているのだとか。
市民の足であり、モータリゼーションで廃止の危機にあったところ、昭和の人気ドラマで火がついて観光路線に。今や年間1,600万人が利用するのだとか。
「画になる」風景に恵まれた鎌倉。羨ましい。
山育ちなので、その気持ちは倍くらいになる。
城下町の成り立ち。
やはり、江戸時代の旅は「参拝」。江ノ島参拝と鎌倉の関係性。
観光マップと「ばばあ茶屋」。切り通しには参拝のルートであることが色濃く残る。
江の電はその、江戸時代の観光ルートに沿って走っているのだとか。
市民の足であり、モータリゼーションで廃止の危機にあったところ、昭和の人気ドラマで火がついて観光路線に。今や年間1,600万人が利用するのだとか。
「画になる」風景に恵まれた鎌倉。羨ましい。
山育ちなので、その気持ちは倍くらいになる。
8:松山 |〜四国一の街・松山はどうできた?〜
城下町の成り立ち。
人力で川を掘り下げ、土手を築き、まちの基盤をつくり、暮らしや商業が張り付く。
人口50万人の四国一のまちはそうしてつくられた。
また、海手の方も殿様が籠を置いたとされる石が残っていたり、参勤交代の海図が残っていたりと、面影や痕跡が多くある。
人口50万人の四国一のまちはそうしてつくられた。
また、海手の方も殿様が籠を置いたとされる石が残っていたり、参勤交代の海図が残っていたりと、面影や痕跡が多くある。
庶民と句会を開いていたなんて素敵ではないか。
参勤交代を、大阪まで海のルートで行っていたなんで素敵ではないか。
参勤交代を、大阪まで海のルートで行っていたなんで素敵ではないか。
7:博多 |〜博多誕生のカギは「高低差」にあり!?〜
タモリさんの博多への帰還。
微妙な高低差、微地形で太古の陸地形が浮き上がる。
約2,000年前の骨官が出土したのと裏腹に、「過去を振り返らない街」と表する。
そういう上で「どんちゃん騒ぎをしている」というタモリさんの言葉は、かなり印象深い。
太閤町割り、櫛田神社の段差の先は港。その先は昔の海であったことなど、ブラタモリならではの視点でのまち歩き。
アスファルトとコンクリートに覆われた150万都市の微妙な高低差から、太古の地形に思いを馳せることができる良い回だった。
太閤町割り、櫛田神社の段差の先は港。その先は昔の海であったことなど、ブラタモリならではの視点でのまち歩き。
アスファルトとコンクリートに覆われた150万都市の微妙な高低差から、太古の地形に思いを馳せることができる良い回だった。
6:長崎 |〜“坂の町・長崎”のはじまりとは?〜
第四シリーズは、この長崎編からはじまった。
長崎は「長い岬(崎)」であることを、この番組で知った。
長崎は「長い岬(崎)」であることを、この番組で知った。
市街地の多くは埋め立て造られた、人工地形といえる。
文化の中継地・集積地としてその痕跡が今も残る様子、それを魅力として発信している様子は、
ここでも、地元のまち歩きの達人が案内役として活躍している姿に勇気づけられた。
ここでも、地元のまち歩きの達人が案内役として活躍している姿に勇気づけられた。
5:小樽 |〜観光地・小樽発展の秘密は「衰退」にあり?〜
これはタモテバコの中身(テーマ)からして、特に面白かった。秀逸なコピー。
つまり、テーマに魅かれた。ということ。
つまり、テーマに魅かれた。ということ。
発展の、特に観光発展の秘密が衰退。どういうことだろうか?と興味をそそられた。
急速な産業の衰退が招いた、観光地化への「変身」。
ポイントは「急速」であったこと。
ポイントは「急速」であったこと。
街なかにある神社の社殿と参道、鳥居の位置関係などでその痕跡を辿ることができたり、
広範囲に渡り斜面地を切り崩して市街地を形成したという経過も面白かった。
また、建築的にも木骨石造ということで、なぜそれが木骨であるのかもわかった。
今からすれば、早くから課題に取り組んできた「まちづくり先進地」ともいえると思う。
今からすれば、早くから課題に取り組んできた「まちづくり先進地」ともいえると思う。
4:仙台「杜」と「都」 |〜“杜の都”の秘密とは?〜
杜の都という都市の枕詞はあまりにも有名。ではなぜ「杜」か?という事に迫る。
「杜」の謎が解けたところで、知られざる「都」それも「二つ目の都」に、という流れの妙は素晴しかった。
「政宗が二つ目のお城をつくっちゃった!?」という
やはり、杜の都「仙台」のアイデンティティは、遅れてきた戦国のヒーロー「伊達政宗」にあるのだと再認識させられた。
杜は「自活」であり「食べられる杜」であったことがよくわかった。
厳しい状況を知恵で乗り切った痕跡であるともいえよう。
武家屋敷の石垣あとでちらっと登場する片平丁小学校の児童たちも可愛かった。
余談であるが、思い出したので。
ブラタモリでは、シリーズ通して通行人や居合わせた人々にタモリさんが声をかけられる事が多い。ここでも片平丁小学校の児童に「ファンです」とか「がんばってください」と声をかけられていた。
「タモリさん、がんばってー」と声をかけられる事に対して
「俺はそこそこ頑張って来たんだ。あんたが頑張れ。」
と応えている様子がしばしば映される。
納得の一言。
人生における日々の積み重ねとそれにより磨かれる感覚は、大きい。
程々に頑張ろう、と思うのである。
余談であるが、思い出したので。
ブラタモリでは、シリーズ通して通行人や居合わせた人々にタモリさんが声をかけられる事が多い。ここでも片平丁小学校の児童に「ファンです」とか「がんばってください」と声をかけられていた。
「タモリさん、がんばってー」と声をかけられる事に対して
「俺はそこそこ頑張って来たんだ。あんたが頑張れ。」
と応えている様子がしばしば映される。
納得の一言。
人生における日々の積み重ねとそれにより磨かれる感覚は、大きい。
程々に頑張ろう、と思うのである。
ーーーーー
さて、いかがだろうか。
くどいようだが、独断と偏見である。
ここまで書いておいて、やはり震災以降、実質的な生活拠点となっている仙台を含めたランキングは不公平ではないかと思いはじめた。
が、あとの祭り。で、祭りのあと。
素知らぬ顔をして、継続しよう。
ーーーーー
それでは、ベスト3の発表。
第3位!
3:仙台 |〜伊達政宗は「地形マニア」!?〜
前振りしておいて、やはり仙台である。
もはや、謝りはしない。反省もしない。
もはや、謝りはしない。反省もしない。
とにかく構成の妙であった。仙台城趾からの眺め、なぜ沿岸部に都市(城下)を設けなかったか?を探るために東部地域へ、再び街なかに戻り城下形成と水・地形の関係を辿るという、城下町仙台ができるまでを分かりやすく解説している構成だった。
沿岸部では簡易ボーリングに挑戦・河川氾濫による堆積層や津波が運んだ海砂の層を言い当てる。
四ツ谷用水で「ヘリ」を歩き、四つの谷で「四ツ谷」であることと、都心部への水の流れを確認し、まちをつくるための「知恵」を知る。
武士のまちが「丁」であり、商人町人町が「町」であって、その境目あたりを一番町のアーケードで確認し、壱弐参(いろは)横町へ。
町中に張り巡らされた用水の思わぬ恩恵を、井戸に見る。
伊達政宗は地形マニアであった、と言い切っている。
番組の最後に荒浜が映る。「遺構をこういう形で見るとは」と言葉につまるタモリさん。
筆者の知人の高橋親夫氏の写真が手がかりになっている。「何気なく撮ったんでしょうけどねぇ」とタモリさんは仰っていたが、半分は当たっているけど、親夫さんはご自分に課したミッションとしても撮影されており、その一部であったのだと思う。
この「最後に」のシーンがあったことで、一層深いものになっていた。
ーーーーー
つづいて、第2位!
2:小田原 |〜江戸の原点は小田原にあり〜
北条の「守り」の話しはなんとなく頭にあったのだが、小田原の総構は知らなかった。
で、この回も同じようにテーマ「江戸の原点」というキーワードに興味をそそられた。
総構(そうがまえ)は本番組の金沢編でも出て来た。
江戸の内堀・外堀も本番組ではとりあげている。
小田原攻めに各大名が参集したことにより、その総構(城郭としての)が伝わったという。
石工が今も残り、構えの他、用水の引き方も手本にした、
江戸の町の原点が小田原にあるという組立は面白い。
これも「テーマの妙」であったと思う。
小田原も未踏の地。訪れてみたい。
ーーーーー
さてそれでは栄えある第1位。
ブラタモリ・オブ・ザ・イヤーの発表です!!
第1位は…
1:札幌 |〜なぜ札幌は200万都市になった?〜
新しい都市である。
しかし、それがストーリーや街の構造の分かりやすさに現れており、非常に面白かった。
しかし、それがストーリーや街の構造の分かりやすさに現れており、非常に面白かった。
たった2家族が、200万都市になるのは百数十年の話しである。3〜4代という事になる。
すすきのが遊郭だった痕跡、実は条制的(俗にいう碁盤の目状)に見えて、それぞれの村がパッチワーク状につながり形成されているため、斜めや不整合な部分があること。
畑を拡げるために土管を埋めて水を抜いていった歴史など、新しい時代の都市づくりの
整然としていて、綺麗な都市の印象があった。
メムをはじめとする自然地形が活かされたこと。扇状地系のメリット、デメリットなど。
非江戸時代の都市の成立過程は、とにかく明確で面白い。
で、今年2月に行ってしまった。
北大のキャンパス内に流れるメムは、「らしさ」満点であったし、道庁の構えも素晴しかった。
ーーーーー
というわけで、(偉そうに)勝手にランキング形式で選んでしまった。
1:札幌
2:小田原
3:仙台
4:仙台「杜」と「都」
5:小樽
6:長崎
7:博多
8:松山
9:鎌倉の観光
10:熱海
今年度も京都からはじまり、伊勢、会津などブラタモリ的視点で面白いまち歩きがはじまっている。
番組ファンとして、楽しみに観続けたい。
一つ一つ丁寧に取材を重ねて番組づくりに励まれているスタッフの方々に経緯を込めつつ。
非江戸時代の都市の成立過程は、とにかく明確で面白い。
で、今年2月に行ってしまった。
北大のキャンパス内に流れるメムは、「らしさ」満点であったし、道庁の構えも素晴しかった。
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というわけで、(偉そうに)勝手にランキング形式で選んでしまった。
1:札幌
2:小田原
3:仙台
4:仙台「杜」と「都」
5:小樽
6:長崎
7:博多
8:松山
9:鎌倉の観光
10:熱海
今年度も京都からはじまり、伊勢、会津などブラタモリ的視点で面白いまち歩きがはじまっている。
番組ファンとして、楽しみに観続けたい。
一つ一つ丁寧に取材を重ねて番組づくりに励まれているスタッフの方々に経緯を込めつつ。