彼女は散歩が大好きだ。
1日2度の散歩を、それはもう心待ちにしているようだ。
彼女は時に聞き分けが悪い。
帰りたく無いと座り込む。
彼女は恋多い。
同種の異性に会うと興奮し、ついつい立ち上がって長時間見とれてしまう。
彼女はほんの狭い世界に生きる。
小屋のまわりか、散歩で訪れる公園、日中は玄関のタイルの上に暮らす。
彼女の住む家には、別の住人が「飼われて」いたが、数年前に死んだ。
彼が死んだ時、その小さな狭い世界に生きて幸せだったろうかと考えた。
彼女と一緒に散歩に出かけると、つい、思い出すのである。
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