2015年11月19日木曜日

四ツ谷用水を追う

時々、歩く。
仙台の水網、四ツ谷用水。この痕跡を辿る。
いや、痕跡ではなく、暗渠となって今なお使い継がれる水路を辿る。

広瀬川の取水口からはるばる流れ、街なかの「北六番丁」という通りと合流する地点に、今も水の流れが刻まれている






通りから民地に不思議に延びる空白地帯。その勾配と形状が気になって古地図を広げてみれば、しっかりと描かれる水路。








100年前のこの古地図によると、かつては、橋がかかっていたのだという。
ここまで、少しの間民地の間を(半ばぬう用に)流れてくる。
橋をくぐり、そこから先は「北六番丁」の通りの南端をいく。

都市の血液であった用水。その動脈部分であったともいえよう。
同古地図には、二日町の北側にいくつかの銭湯のマークが見て取れる。
用水との関係性、水を介した生活景が想像できる。
一方で、先ほどの橋から先にはこの用水の痕跡はほとんど無い。
ここからは、或る時代を境に都市生活が変わっていった事が想像できる。
つまり、水の手に入れ方、水との付き合い方が変わったという事が。


だがしかし、民地をすり抜ける様子がはっきり見えるこの箇所は面白い。
名残、痕跡を発見するのは、何気ない風景からちょっとした違和感を感じ取ること・読み取る事からはじまるのであろう。
(やはり某番組のテーマ「下を向いて歩こう」という事なのだろうか。)




都市の断片、まちに潜む“ほんの痕跡”、からイメージしてみる事は、楽し。
アスファルトとコンクリートに敷き塗られた現代都市において、実は大きな意味のある事ではないかと思う。

大袈裟に言うのならば。
今日もSo Whatで。

◆参考
「暗渠マニアック!」吉村生・高山英男 著(柏書房)

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