2011年9月19日月曜日

「コミュニティデザイン」を読む




人がつながるしくみ。

ただ単に「脱・モノ」を唱え「人だ人だ」と連呼する人やケースも見かける。しかし、この本に書かれている事は、今までプロセスやプログラムが重視されず作られ続けてきたモノやコトのリ・デザインである。単にモノを否定はしない。集団同士の意見の食い違いなどの難局においてもあるべき道を探っている。
使い方や誰が使うのか、その運営といった事を、関わる人の中で醸成した上でのモノやコトのデザインである。
これは、所謂「ハコモノ」の失敗が繰り返された、その真逆の正当なあるべき姿なのだと思う。
本書では離島の総合計画から商業施設のコンバーション、まちづくりのためのイベントまで、さまざまなケースが紹介されているが、どれにも共通するのは高いコミュニケーション能力を要するという事。つまり、どのケースにおいてもコミュニティの構築や新しい関わり方を提案、実践しているという事。
その中で「姿」としての風景が生まれる。

震災以降「コミュニティ」は重要事項の一つとして挙げられている。
(東北のそれは、人々の結びつきとして強いと信じている。)
震災や原発の「事故」によって引き裂かれてしまった事は非常に多い。
震災直後の日本全国的は高揚感は一体なんだったのだろうかと思うほど、震災半年を経て地域やフェーズによって全く見ている方向が違ってしまったし、震災以前の個々の経済格差は露呈してしまったように思う。
今後、益々コミュニティを意識し、この様な形でコミュニティの再構築や介助の必要があるは明白である。少なくとも、地域単位では。

このように地域をサポートする組織や仕組みは今後のスタンダードとなるべきだろうと思う。
職能としての確立を願うばかりだ。

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