2011年9月26日月曜日

芸工祭クイックレポート




今年も母校東北芸術工科大学の大学祭が開催された。
ここのところ毎年足を運んでいて、今年も叶い山形へ行く事ができた。
 幾つかの「何となく特別」な気持ちを抱えながら。

屋外/屋内とも賑わっていた。







本部テントもいい感じ!
風船でデコレーション、いいね。



今年はカヌーも!!
1回300円で池を2周できるのだそう。いいね!





本館の4階にはこんな素敵なカフェも!眺めがいい!


窓からの眺めはこんな感じ!



毎年恒例しむけん展は、毎回研究テーマが面白い。
ふんわりなパーテーションもお馴染みになってきた感が。


食べ物系で個人的に一番ツボだったのは、冷やしパイン!100円!ディスプレイも素敵だった。





それから、芋煮!奥は焼きおにぎり!
やつぱり山形の秋はこれでしょう。


体育館では「お山の上のミュージックフェスタ」だそう。


そして、そうこうしているうちに暮れて行く。


やがて、輝き出す。




陽が落ちて、花火があがった。


最後は、会場から拍手が起こった。


「今年の学祭では花火が上がる」という噂を聞いたのはつい最近の事だった。
本当だろうかというのが最初の感想だった。
10年以上前の話、我々が学祭実行委員だった時に初めて花火を上げた。
今年のはじめに、現役の実行委員の皆から花火の相談を一度受けていたものの、当時の事とポイントを話すくらいで、その後の震災や、大学周辺が当時の田園風景と一変し宅地となった事により消防許可がおりないのではないかといった心配など、ネガティブな話を聞いていたので。

20周年を期に復活したという事と、当時のフラッシュバックも含め、今回の花火は本当に感慨深いものだった。 


とにかく、OBとしては学祭が続いている事が嬉しい!
社会に出て、色々あって、今では地元のまちづくりに関わっている。
その中で「日光マルシェ」なんていう「大人の学園祭」的な企画で、あの時の学園祭の続き的なことをやっている。
学生時代のあの時間があったから、今があるのだろうと思う。

パワーもらいました。ありがとう。

学園祭、侮る勿れ。

2011年9月19日月曜日

「コミュニティデザイン」を読む




人がつながるしくみ。

ただ単に「脱・モノ」を唱え「人だ人だ」と連呼する人やケースも見かける。しかし、この本に書かれている事は、今までプロセスやプログラムが重視されず作られ続けてきたモノやコトのリ・デザインである。単にモノを否定はしない。集団同士の意見の食い違いなどの難局においてもあるべき道を探っている。
使い方や誰が使うのか、その運営といった事を、関わる人の中で醸成した上でのモノやコトのデザインである。
これは、所謂「ハコモノ」の失敗が繰り返された、その真逆の正当なあるべき姿なのだと思う。
本書では離島の総合計画から商業施設のコンバーション、まちづくりのためのイベントまで、さまざまなケースが紹介されているが、どれにも共通するのは高いコミュニケーション能力を要するという事。つまり、どのケースにおいてもコミュニティの構築や新しい関わり方を提案、実践しているという事。
その中で「姿」としての風景が生まれる。

震災以降「コミュニティ」は重要事項の一つとして挙げられている。
(東北のそれは、人々の結びつきとして強いと信じている。)
震災や原発の「事故」によって引き裂かれてしまった事は非常に多い。
震災直後の日本全国的は高揚感は一体なんだったのだろうかと思うほど、震災半年を経て地域やフェーズによって全く見ている方向が違ってしまったし、震災以前の個々の経済格差は露呈してしまったように思う。
今後、益々コミュニティを意識し、この様な形でコミュニティの再構築や介助の必要があるは明白である。少なくとも、地域単位では。

このように地域をサポートする組織や仕組みは今後のスタンダードとなるべきだろうと思う。
職能としての確立を願うばかりだ。

2011年9月16日金曜日

街に本がある風景

本に関するイベントが増えている。
古本市や読書会。
なんだか、足を運びたくなる。

●BOOK!BOOK!SENDAI
「6月は本の月」として本に関する様々な企画を展開する。
フィナーレはアーケード空間を使っての古本市。アーケード空間を使用しての市のため、全天候型。また、会場の中央にカフェスペースが設置されているので、買った本を読みながら過ごす事もできる。(ビールなどもある)
個人的には一日いても飽きない場所だなと思う。











●栃木一箱古本市
今年初開催の古本市。会場分散型で、趣のある栃木の街並と共に楽しめる。栃木の財産である街並と古本市の組み合わせは絶妙だと思う。














●日光マルシェの古本市
会場分散、同時多発型の日光マルシェ。その会場の一つを古本市に。まだ小さな集合であるが、本好きの人の輪が拡がりつつある。












●小布施の一箱古本市
お寺で行われていた「苗市」が「境内アート」として境内をアートやクラフト市で埋め尽くす新たな要素が加わり、更に一箱古本市も加わった形だそう。この春に訪れた際には一箱古本市の立役者、南陀楼さんのトークライブが行われていた。














池上彰氏は著書で「世界の都市成長のバロメーターは街の本屋にどれくらい若者が集まっているかだ」という趣旨を述べている。
確かに、街の知識欲を測る一つのバロメータかもしれない。


昨年、BOOK!BOOK!SENDAIという企画に出会い、本と街をつなぐ、本が人をつなぐ企画の素晴らしさを知った。


各地でこの様な企画がもっと起こり、続けて行く事を願う。






前野 久美子
メディアデザイン
発売日:2011-01-31

2011年8月15日月曜日

藻谷浩介×山崎亮「経済成長が無ければ、僕たちは幸せになれないのか」



712日に東京で開催された、対談形式の講演会。
トークライブのような雰囲気でスタートしました。
シャツ姿の藻谷さんとジーンズにTシャツの山崎さん。
鹿児島の状況とマルヤガーデンズの話し、震災の被害状況とこれからの日本経済の動向の話し、経済成長と経済成長率の違い話し、それは個々の生活実感と大きく乖離しているという事。などなど、内容は盛りだくさんでした。

個人的に一番頭に残り、心に響いたフレーズは「お金に換算できないソーシャルストック」という言葉。
それは人の繋がりや、地域の伝統など長く培われた地域の資産の事です。
自分がまちづくりに取り組んでいる中でモヤモヤ、ウスウスしていた事が、この表現ですっと腑落ちしました。
まちづくりでは、直接的な効果や即時性的な部分を期待される事が多く、そして、そのような尺度をもって評価されがちです。
しかし、そうした地域の資産を活かして行くには必ずしも目先の効果や利益を追求せずに、時間をかけてじっくり取り組んで行く事も必要であるという事を忘れてはいけないと思います。

山崎さんは「コミュニティーデザインは個々の特殊解ですから」と仰っていました。その通りだなと思う一方で、都市部(地方の中心市街地など含む)で考えた時に、あまりにも一律に論じられる「一般感」の多さに、個性の見いだし方とその難しさをイメージしました。
山崎さん、地域に入って行く時には100近い団体をリサーチして、その中からなるべく多くの人に会いに行くそうです。得た繋がりから紹介型でまた繋りを連鎖していくのだとか。
人を繋いでいくこと。コミュニティーとつき合う事。エネルギーが要りますよね。

藻谷さんの発言を幾つか並べると
・経済成長し続けないといけないといういわば脅迫観念的なものが、いまだにある。
・いつでも勉強できるようになった。もう少しすると良い大学、良い学歴などというのは剥げ落ちていくのでは。
・都市部の人間が優秀か?全くの誤解であって逆に、いかに「平均」であるか。なんとなく社会の流れに乗っているだけの人間を都市はあまりにも受け入れてしまっている。
・「その他大勢の群れにまぎれて幸せ掴みたい」と考えている人がどれだけいるか。※サザンオールスターズのアルバム「さくら」の「私の世紀末カルテ」の歌詞を引用して
・島や里山で、果たしてその他大勢に紛れられるか。
・数字的に日本の黒字が出ていても、一向に生活は豊かにならない。これはお金の使い方の話しではないか?少しはストックがあるうちに有効に使っていくべきである。

というような事を仰っていました。

「ストック」というキーワードは、「社会全体が鬱的」(藻谷さん評)という高度経済成長、バブルを経ての現在ならではな言葉であり、一方、「地域の大切なものを掘り起こす・繋げる」という山崎さんの作業とリンクしている、いわばこの講演会の肝だと考えます。




藻谷さんとは、仙台でまちづくりのコンサルに勤務していた時に某商店街組合のまちづくり会合の中で講演をいただいた事がありました。もう10年も前の事です。その時にスタッフとしてお手伝いしながら聴いた講演が非常に刺激的で、鮮明に覚えていました。
「生き残れる街・生き残れない街〜地権者がまちをつくる。主体は地権者にあり〜」という演題で、仙台中心部の商業者向けに他地域の事例を交えながら郊外化の進む街なかの危機感を大きく示していただきました。

閑話休題。
終演後には両氏の前に名刺交換の長蛇の列。
にも関わらずお二人とも一人一人と丁寧に挨拶を交わされていました。
私もその一人で、ちゃっかりとご挨拶させていただきました。

この講演は学芸出版社さんから書籍化されるとのことです。
楽しみですね!


藻谷×山崎の事前対談も面白いです!これちら↓
http://www.gakugei-pub.jp/chosya/038yama-mota/index.htm




藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-06-10

2011年8月13日土曜日

DO THE FES!〜即席都市〜




毎年夏フェスに出かける。

茨城のひたちなかで開催されるROCK IN JAPANに通うのが毎夏の恒例と化してもう8年になる。
20代の終わりと共に卒業しようと思ったのだが、やめられない。


アーティストを目当てに行くというのは当然の理由としてあるが、

太陽と対峙する。
音を浴びに行く。
歌う、踊る、跳ねる。


そういった事をその空間に居合わせた人と共有するという事も、知らず知らずのうちに目的の一つとして成っているような気がする。
会話や直接の交流がなくても、目的を共有している人々が集う、その風景そのものが更なる共有材料としてそれぞれに影響をしていると思うのだ。

さながら都市の楽しさである。





人が集まる事・・・
容易ではない体制が必要と成る。
食も、健康管理も、安全管理も、
そして、ライフラインも・・・
都市である。

フェスは即席都市である。

3日間だけ出現する、即席都市なのである。

単なるお祭りとして楽しんで、帰ってからはこんな事を考えている。





人生には、こんな風に日常と非日常を漂う時間と空間が必要だ。


※そういや以前NPO日光門前のブログにも同じ事を書いたのだった・・・
http://www.npo-nikko.jp/blog/log/eid114.html